訪問看護ステーションの行政指導について
こんにちは。タツミ訪問看護ステーション長津田の古藤です。
本日は、これから訪問看護ステーションでの勤務を目指す看護師の基礎知識として、訪問看護事業所がきちんとした運営をしているかを行政によって指導する仕組みについてお話ししたいと思います。
行政による定期的な指導があることで、訪問看護師が安心して働くことができますので参考にしてください。
行政による訪問看護ステーションの指導の目的
行政による訪問看護ステーションの指導の目的は、訪問看護ステーション利用者の尊厳を守り、かつ質の高いサービスを提供できるようにすることです。
国及び地方自治体の行政機関は、訪問看護ステーションが適正なサービスを行うことができるよう支援し、「介護給付等対象サービスの取扱い」及び「介護報酬の請求」に関する「周知の徹底」を図り、「サービスの質の確保」や「保険給付の適正化」が果たされるよう指導します。
行政による訪問看護ステーションの指導の種類
行政による訪問看護ステーションの指導の代表的なものとして、行政機関から必要な情報の発信及び伝達を行う「集団指導」と、都道府県や市区町村の職員が各訪問看護ステーションを訪れて行う「運営指導」があります。
~「集団指導」とは~
まず、訪問看護ステーションをはじめ、介護保険制度に基づくサービスを提供している事業者に対する「集団指導」とはどのようなものかをお伝えします。
(1)「集団指導」の実施頻度と内容
「集団指導」は、年1回以上行います。
場所や時期やテーマを分散させて複数回実施したり、新規指定や管理者の変更があった訪問看護ステーションを対象として別途実施する形態もあります。
地域の実情にあった形で工夫して行われています。
内容は、介護給付等対象サービスの取扱い、介護報酬請求の内容、制度改正内容、高齢者虐待事案などの情報提供です。
(2)「集団指導」の方法
特定の日時と場所を設定して行う講習等の方法と、自治体のホームページへの資料の掲載や説明動画の配信によるオンライン等の方法があります。
~「運営指導」とは~
次に、訪問看護ステーションをはじめ、介護保険制度に基づくサービスを提供している事業者に対する「運営指導」とはどのようなものかをお伝えします。
※「運営指導」は2022年に「実地指導」から名称変更となったものです。
(1)「運営指導」の頻度と内容
「運営指導」は、指定の有効期間中(6年間)に少なくとも1回以上、実施されることになっています。
「運営指導」の内容は主に次の3種類となります。
①介護サービスの実施状況指導
介護サービスの実施状況指導とは、ご利用者に対するサービスの質を確認するために行う指導で、提供サービスがケアマネジメント・プロセスに基づく内容となっているかについて書類を確認し、改善の必要がある場合には、改善指導をするものです。